森林を守ることは私たちの生活を守ることです

森林保全は、たとえば道路に信号やガードレールをつけるように、私たちの生活を守ることに直結した活動だというのがグリーンバナーの考え方です。趣味や嗜好を超えた私たち日本人全員が手をつなぐべき課題が森にあります。

私たちの世代は森林の荒廃を止め、次世代に安心して暮らせる環境を残す役割があります。

日本の森林を守る

次世代の子供たちの生活環境を守る

地球温暖化の防止は森林による二酸化炭素吸収に依存しています

地域の災害から生活を守る

増加してく洪水や土砂崩れの被害は森林保護で緩和できます

豊かな水を育み食生活を守る

森林の荒廃は水の劣化をまねき田畑や海を貧弱にしていきます

出典:東京都環境局

国土の約7割を森林が占める日本は、世界主要国のどこよりも森林の恩恵を 受けて繁栄してきました。空気も水も、私たちの命を支える環境の基盤は森の恩恵によるものです。
その森が、長期にわたる整備不足により荒廃は進み、いま逆に災害などにより日本人の生活を脅かす存在になりつつあります。
グリーンバナー推進協会は岐路にたつ私たちと森林の関係のゆくえを、未来の子供たちが安心して暮らせる人と森がともに助け合う社会に導きたいと願い創設されました。

私たちの命を支える森林の3大機能

この地球において、森林の果たす役割はまさに多種多様で、森林こそ生態系の中心にあるといえます。そのなかで、私たちの生活に直接大きな影響を与える森林の機能は3つあります。

1.空気

ご存じの通り、植物は光のエネルギーを使う光合成によって、空気中の二酸化炭素を吸収し代わりに酸素を供給します。吸収された二酸化炭素は木の幹や枝などに固定化され、腐食したり燃えたりするまでタンクのように二酸化炭素を閉じ込められています。 二酸化炭素は地球温暖化を急速に進める温暖化ガスとして人類を脅かしていますが、二酸化炭素を大気から減らす方法はふたつしかありません。それは、二酸化炭素の排出をやめるか、もしくは森林を増やす、または森林を整備して二酸化炭素の吸収率を高めるかです。 現実的には、排出を減らしながら、森林を増やしたり整備することを並行して行うことが私たちに出来る唯一の対策です。

日本の森林で一番量が大きいスギの木を基準にすると、一世帯が家庭で年間に排出する二酸化炭素を460本の杉の木が吸収してくれている計算になります。これと別に自動車に乗れば160本、1人が呼吸すると23本のスギが必要になります。しかも、スギは整備を怠ると二酸化炭素の吸収効率が低下します。 二酸化炭素の排出を減らす努力と同時に、森林を育て守っていく努力が求められています。

 2.水

森林は、私たち人間が必ず必要とする清らかな水を生み出す工場のような存在です。また、私たちの食生活を支える田畑の作物や海の魚にとっては適切な養分を供給して生命の連鎖を育む水の源といえます。 こうした水を生み出す機能は、そこに山があるだけでは生まれません。その地域の森林に適した方法で人間が管理し、整備してこそ森林は生命の水を生み出す工場として営みを続けることができます。

森林は大気中で不純物を含んだ雨水を地中でろ過し、清純な水にして地下水から川へと送り込みます。そのため、水道局では森林を自然の浄水場と呼んでいます。また、地下水になる過程で水は窒素やミネラルを含み、人にとっては美味しい水に、川や海の魚にとっては恵の水となります。 森林が育んだ水の養分が海の植物性プランクトンを増やし、それを食べる動物性プランクトンが増え、それを食べる魚が増えるというのが健全な森の恵のサイクルです。また、山から海に流れる過程で田畑を潤し作物を豊かにしてくれます。

 3.災害

大気中に二酸化炭素が増え続けた結果、温暖化とともに地球規模の気候変動が起こっています。頻発する大型台風やゲリラ豪雨も温暖化が大きな要因と考えられています、さらに、栃木県や群馬県等で起こった未曾有鵜の水害や広島県等で発生した大規模な土砂崩れの原因は記録的な大雨だけでなく、森林が「緑のダム」と呼ばれる涵養機能を低下させたことや、木の根が土壌をグリップする機能を低下させたことも大きな要因のひとつと考えられています。 空気中の二酸化炭素を減らし、山に水を貯め込んで恵の水を育む森林の機能は、私たちの生活環境を守る災害防止にも大きな役割を果たしています。

左のイラストは整備された森林が何もない砂地や草地に比べて、圧倒的に高い給水能力をもっていることを示すものです。日本は国土の約7割が森林なので、森林が整備された状態であるなら膨大な量の雨水を貯水できる巨大な「緑のダム」として機能します。 右のイラストは荒廃地と森林の土砂の流出量を比較したものです。整備された森林は荒廃地の実に100倍以上も土砂を食止める力をもっています。ただし、森林の荒廃が進んでいるいま、森林からの土砂流出が止まらず土壌が不安定になり土砂崩れを起こす危険地帯が全国に広がっています。 森林が本来持っている力は、私たちが手を貸すことで必ずよみがえります。まずは、森林の荒廃に歯止めをかけることが大切です。

今、森で起こっている荒廃の現場

私たち日本人は、森は美しいものだと思い込んでいるのが普通だと思います。それを過去のものにしないためには、今すぐ行動が必要です。下の写真のような現実が全国に広がっていることをぜひ知っておいてください。

明るい表面と対照的な暗い内部

 

間伐材が森林の至るところに散乱

 

間伐が行われず過密化して光が入らなくなった暗い森は、土壌が弱く、二酸化炭素の吸収力も水の貯水力も衰えていきます。

 

間伐した木が大量に放置され散乱した森林です。低木が育たず地表がやせる上に、放置木材が台風などの二次災害の原因になります。

脆くなった土壌が土砂崩れを起こす

 

放置森林が起こす二次災害

 

集中豪雨によって崩壊した森林です。未整備な森林は普段の土砂の流出が多く、脆くなった土壌が大雨などで崩れ落ちます。

 

森林の土砂、間伐後に放置された木などが台風や豪雨などで川に流された現場です。橋などを堰き止め大災害にもつながります。

グリーンバナーの森林保全実施内容
グリーンバナー・プログラムでは、都道府県の森林組合連合会と連携して個々の対象森林に必要な保護内容を調査して選定し、効率的な手法で実施していきます。 実施する代表的な施業内容は下記の通りです。
立木密度 立木密度は1ヘクタール当たりの樹木の本数で表します。一般的には、スギやヒノキの場合は30年生で、1000~1500本/ha、50年生で500~1000本/haという密度で管理していくのが理想とされています。また、最近ではヘクタール当たりの木の本数と幹の材積の関係を表した林分密度管理図が作製され、これを指針にして間伐がより計画的に行われるようになっています。
相対照度 植物群落の最上部(直射日光の照度)を100%として、各層での照度の割合が相対照度です。上記の表のように下部の相対照度が10%を下回るような状態では、間伐や日光を通すための枝打ちを行わないと下草や低木が生えない暗い森になっています。
間伐 森林を健康な状態に維持するとともに、樹木の健全な発育を助けるために計画的に一部の木を切ることです。
樹木が生長するに従って森林の空間は窮屈になっていき、個々の木の生長は阻害され、上層の葉が光を遮ることで地表に日光が届かずに森全体も生態系が乏しく、災害に弱くなっていきます。また、水のかん養機能や二酸化炭素の吸収能力も低下します。
密度や相対照度を計算し、計画的に劣勢な木を優先して適正値まで木を切って減らします。
もともと日本で林業が活発であった時期には林業者が間伐を積極的に行っていましたが、林業が長期低迷を続けている今、間伐せず放置されて森林が全国に広がっています。政府の公庫補助金で行える間伐はごく一部に限られており、間伐不足が森林荒廃を深刻化させているのが実情です。
枝打ち 木材としての価値を高めるため幹の枝を切って節をなくす作業も枝打ちといいますが、ここでは相対照度を上げるための施業を指します。
針広混交林 生態系を豊かにするため、また水のかん養機能を高めたり土壌の保水力を高めたるすることを目的として、スギやヒノキの人工林を間伐する際に広葉樹を植林することです。
また、40年を超えて高齢化したスギやヒノキの人工林が同じ地域に固まった場合、気象災害や病害虫により壊滅的な打撃を受ける可能性が高まるため、森を強くする意味でも有効とされています。景観上も好まれることが多いのも事実です。
植林・育林 「地ごしらえ」とは植栽を行う前の下地の整備です。「下草刈り」は植栽した苗が生育できるように雑草やツルを取り除く作業です。「除伐」は植栽から10年から15年に、育成の対象外の樹木を取り除く作業です。
植林する場合はこれらの作業を的確に根気強く行わなければなりません。