農業の耕作放棄地問題よりも深刻な
森林保有者の無関心と整備放棄林の拡大

事務局  日本の森林は荒廃が進んでいて、このまま放置していくと手遅れになるということをもっと市民の皆さんに知ってもらわなければならないと、いつも感じています。まず知ってもらうことが非常に大切だと思います。
川井氏  森林保有者は自分の持ち山に行ったこともなければ、境界を見たこともないし、境界を確定させる行為もしないというような山が多く、ましてやそこにお金をかけて整備しようという人は少ないわけです。ですから山の整備を森林組合がしていくということは絶対に必要なことだと思います。ある意味では農業の耕作放棄地問題以上かもしれません。
事務局  グリーンバナー推進協会は、日本の森林荒廃が進行していくなかで、それを食い止める明確な手立てが公的に示されてなく、さらに森林保護を広域に明確な方針と指標で行うことを支援する民間組織が見当たらないと感じたことが設立の動機でした。
それで、まず大阪府森林組合と和歌山県森林組合連合会と提携して、都道府県単位で地域にあった適切な森林の保護と整備を行うための活動を開始しています。この活動は今後全国に広げていく計画です。
川井氏  政府の補助金を頼りにして森林組合が整備を進めていくという従来のかたちは、既に限界にきています。グリーンバナーのような民間組織がそれぞれの地域の人や企業と一緒になって森林保護を進めていく試みは素晴らしいし、さらに学界や関連業界に横串を指して政府に対してボトムアップしていくような動きをしてもらうとなお良いと思います。
事務局  ありがとうございます。全力で取り組んでいきます。
最後に、30年以上も木の研究を続けてこられた川井先生だからこそお聞きしたいのですが、木の魅力とは何だとお考えですか?
川井氏  そうですねぇ、何でしょうかねぇ。結局、我々と同じように生きていて、進化して環境に適応した、そういう生き物からできた材料だということかな。
事務局  本日はお忙しいなか本当にありがとうございました。

プライベートでは、祇園祭で長く車方を務めるベテランだそうです


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