グリーンバナー 緑の対談 第3回

京都大学大学院 総合生存学館
学館長

川井秀一 氏

一般社団法人グリーンバナー推進協会

事務局


 日本の森林の行方は、ある意味で日本の木材の利用が進むかどうかにかかっています。そこで、日本の木質科学の権威としてしられる京都大学大学院の川井先生と、日本の木と森林のあるべき姿について話し合いました。

最も多いスギの利用促進が
日本の森林の将来を左右する

事務局  今日は木質科学や木質材料学の権威であり日本木材学会の会長も務めておられた川井先生に日本の木の有効活用について伺いたいと思います。
 日本は国土の約7割が森林という、まさに森の国ですが、なかでもスギの人工林は全森林面積の18%を占めており、過剰に蓄積されたスギをどう活用するかが森林全体の問題を大きく左右します。川井先生が研究しておられるスギの性質をいかした新たな活用法は日本の森林にとって素晴らしい助けになるものと期待しております。
川井氏  私は研究者として、森林というよりも木材から入っていきます。木材をベースにして森林とか、環境とか、住宅というものを見るわけです。スギへの愛着もあるのだけれど、かつて日本が拡大造林したときに要は儲かる木を植えようとしたわけです。本来は入会地で、エネルギーとして使う薪をとる落葉広葉樹林だったところにまでスギを植えてしまった。林業地でないところに植えてるわけだから生産性が合うわけがない(笑)。

日本の木質科学をリードする川井学館長

 これは徐々に広葉樹との混交林にしていくべきですが、当面はスギを使うことを考えていくしかありません。ですから、スギでなければならない機能を発見したり、開発したり、その特徴を生かしていく必要があります。そうしない限り、他の材料で替われるものであればすぐに値段が安い方にいってしまいます。
 スギ固有の材料開発をしないとだめだなと思っていろいろ議論をしているうちに、特に保育園であったり、アレルギー性疾患や化学物質過敏症の方に快適な居住空間を提供しようとするとスギになるという声を聞いて、なぜだろうかということになったんです。それで、スギの持っている独特の抽出成分などが人間とどういう関わりがあるのか10年くらい前に研究をスタートさせて今に至っています。

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